「新メンバーお披露記念日」
開場 11:30 開演 12:00 2,000円+D600円
ねえ 想像してみて
ずっとずっと先の事
はるか遠い未来の事
わたしたちはみんないなくなって
わたしたちを知っている人たちもみんな消えて
忘れ去られる
すべてはるか時の彼方に流れ去って
今日の事なんて 誰も覚えていない
でも だからこそ いまこの瞬間がいとおしい
覚えていて 私を
私たちがここにいたこと
一瞬しかない
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あなたの『心のやらかい場所』に。
誰にだって「心のやらかい場所」は、あるだろう。
自分にだってある。
歳を重ねて、カサカサに乾いてしまったようにも思うけど、実際は心のある一部分がどんどんふにゃふにゃになっているような気がする。
「一瞬しかない」
このグループは、そんな心のやらかい場所に、ぐさぐさ刺さってくる。
そんなわけで、1週間前に初めて見てから気になってしょうがなかった。
この日は、新メンバー「銀海(ぎんか)」さんのお披露目。
まさに「一瞬しかない」ライブ。
今月はこれ以上予定を入れないつもりだったけど、前日に予約をしてしまった。
一曲目は1stシングルの「ここからはじまる物語」。
彼女たちのレパートリーの中でも、軽快で明るめの楽曲。
銀海さんも、しっかり溶け込んでいるように見える。この人、顔が小さいね。
2曲目は、8分の6拍子が気持ち良い「太陽の下の一瞬」。
ああ、これこれ!前回見た時にとても印象に残っていたのだけど、カバー曲のためファンの人が上げているYouTubeのライブ映像からはカットされていたので、どんな曲だったか思い出せないでいた。
自分は全く知らなかったのだけど、オリジナルはSWAYという女性デュオのもの。めちゃくちゃ良い曲だ。
「雪と宇宙」は、とにかく詞が美しい。左右に手を揺らして雪を表現する振り付けも美しい。
後半に歌われた「twinkle」、これも超好き。
「星空を眺めてた 貸し切りのブランコで」
メロディーも良いんだけど、この曲も詞が抜群に良い。シンプルで言葉少なめなのに情景が浮かんでくる。
歌い出しの場面、銀海さんはステージ上手側で椅子に座るめいさんとフリルさんの間にポジションを取る。
ライブを見るのは2回目だから確かなことは言えないけど、4人から5人に増えてフォーメーションにもぐっと厚みが出たように思う。
曲の最後には、椅子の中から光る星を取り出すという演出。
新メンバーの銀海さん、ライブ中はもうすっかりメンバーに溶け込んでいるように見えるけど、MCでは一人だけテンポがおかしい。
いや、銀海さんが普通で他のメンバーがおかしいのか。
この人、何かひと言しゃべるたびに笑う。とにかくよく笑う。
あんまりよく笑うから、お母さんにお葬式に出ちゃ駄目と言われていたというエピソードも。
自分のアピールポイントを聞かれて、両頬を押さえながら「顔が・・・」。
何を言うのかと思ったら「かわいい」。
のけぞるフロアのお客。確かに、それは否定できないですけどね。
「どうしてそんなにポジティブなんですか?」と問われると、「事実を言ったまでです」。
ものすごい強者が入ってきたものだ。
でも、「ピザまんで頭がいっぱいになっちゃって、しゃべろうと思っていた事全部飛んじゃいました」と、初々しい一面も。
そんな銀海さんが、「雪と宇宙」をイメージして描いた絵がこれ。色々なものを持っている人です。
「きっと君を好きになる」も「今日を生きよう」も大好き。
「眩しいね」も含めて、持ち曲全部歌った事になるのだろうか。
ライブの締めは、「さよならするのはつらいけど」。
ドリフのあれですよ。これには意表を突かれた。
♪ババンババンバンバン♪
いやー、楽しかった。
途中で気がついたのだけど、前の週に見たときは茶色だったベルトが幅広の黒いものに変わっている。
この日から変わったのだろうか?
それについて誰も触れないのも、なんだかこのグループらしい。
それから、この日は振り付けの菅沼伊万里さんという方も見に来ていたとの事。
当然どういう人か知らなかったのでググってみたら、ザ・バンビエストというダンスカンパニーを主宰し、様々な舞台やショーの演出も手掛けている人だった。ヤナミューの新曲もこの人の振り付けだそう。
こんなインタビュー記事があった。
https://note.com/kylie1/n/n6b7bedb8528f
とまあ、掘ったら出てくるわ出てくるわで興味が尽きない。
物販でCDを買ったら、曲だけではなく「一瞬しかないラジオ」というラジオ仕様のトークも収録されていて、あの不思議なMCを家でも楽しめる仕組みになっている。
ますます術中に陥ってしまう。
しかし、ここまでコンセプトを突き詰めて聞き手にぶつけくるのもすごい。
というわけで「一瞬しかない」どころか、「ところかまわず四六時中」状態に陥ってしまっている最近の自分。
困ったものだ。
冒頭に引用したモノローグは、ライブの始まりにメンバーが入場する際に流されるもの。
これは、自分が(おそらく多くのオタクが)アイドルの現場に通い詰めてしまう理由そのものだと思う。
出会えてよかった。