ある方が「#好きな映画を4枚貼って4名指名していくリレー」というのをやっているのを読んで、面白いから自分もやってみました。指名されたわけではありませんが。
最初に断っておくと、映画は好きだけど正直それほど見ているわけではありません。
最も映画を見ていた時期は80年代前半から90年代に入るころかな。それでも最大でも年間50本は見ていなかったと思います。最近は年に数本程度に過ぎず、今年も正月に1本見たきり。
そんな自分が選んだ、本当に好きなオールタイムベスト4本です。
1.ローカル・ヒーロー 夢に生きた男/1983年イギリス(日本での公開は1986年)ビル・フォーサイス監督)
アメリカの石油会社に勤めるエリートビジネスマンのマッキンタイアは、コンビナートの用地買収のためスコットランドの片田舎へ派遣される。
出発前にバート・ランカスター扮する社長から呼び出しを受けた彼は、「空の様子を報告しろ」という奇妙な命を受ける。この社長は、会社の自室にプラネタリウムを持つほどの天文マニアだったのだった。
濃霧のために一晩足止めを食らってたどり着いた村は・・・。
道中に轢いてしまったウサギの顛末、謎めいた女性海洋学者など、一筋縄ではいかないエピソードがそこかしこに散らばめられる。
計画を聞きつけた村人たちは、反対するどころか大金持ちになって外車を乗り回すとか言って浮かれている
赤ちゃんをあやしている女性に「お父さんは?」とマッキンタイアが聞くと、周りにいた男性どもが顔を見合わせながら首をかしげる場面とか。
爆笑するような場面はないけれども、くすっとさせられる場面の数々。
そして、クライマックスともいえるお祭りの夜、空一面に現れたオーロラを興奮しながら公衆電話から社長に伝えるシーン。
肝心の買収話の方はあっさりとまとまるかと思いきや、海岸の掘立小屋に住む老人が権利を持っていることがわかる。ところがこの老人が頑として首を縦に振らない。
ついに社長が直々にヘリコプターで登場するが、老人と意気投合してしまい、「計画は白紙だ。お前は帰れ。」
始めのうちはスーツの皺も丁寧に直したり時計を気にしていたりしていたマッキンタイアが、徐々にラフな格好になっていき無精ひげまではやすようになる変わりざまもおかしい。
ラストシーンは無人の公衆電話、ベルの音がいつまでも心に響く。
マーク・ノップラーによる音楽も良い。
良質なファンタジーともいえる映画だと思う。
2.ザ・コミットメンツ/199Ⅰ年 イギリス&アイルランド アラン・パーカー監督
アイルランド、ソウルミュージック、青春群像とくれば好きにならないわけがない。
ダブリンに住むジミーは、「ダブリン・ソウル」を世に放つという夢の実現をすべく、メンバーを集めて「ザ・コミットメンツ」を結成、自らはマネージャーとして日々奔走する。
最初は拙かった演奏もやがて目を見張るような成長を見せ、ライブが評判を呼び、だんだん注目を集めるようになる。
ところが成功まであと一歩と思われた時、バンドは空中分裂してすべては水泡に帰してしまう。
めちゃめちゃ歌はうまいのに性格が悪くもめ事の絶えないボーカリストのデコ、けんかっ早いドラマー、医学の勉強をしているインテリのキーボード奏者など、メンバーそれぞれの背景やキャラをしっかり描き切っているのはさすがアラン・パーカー監督だと思う。
なかでも、自称「プレスリーのライブでサポートしていた」という中年のサックス吹きが、バンドの中での精神的な支柱のような立場でありながら、コーラスの女性3人を次々と食ってしまうところが、まあなんとも。
この「なんとなくこのおっさん信用ならないな」という雰囲気が、物語の終盤で大きな意味を持つんですね。
それから、ジミーとキーボードの青年が教会でプロコル・ハルムの「青い影」の歌詞について語る場面が印象的だった。
映画の中で挿入されるソウルのクラシックナンバー、そして何よりもザ・コミットメンツの演奏シーンがとにかく素晴らしい。
クライマックスの「トライ・ア・リトル・テンダーネス」。
この後「イン・ザ・ミッドナイト・アワー」を演奏した後、楽屋で大喧嘩が繰り広げられる事になる。
最後の、ウィルソン・ピケットをめぐる顛末も効いていました。
3.レオン/1994年 フランス&アメリカ リュック・ベッソン監督
これは説明する必要ないでしょう。
中年の殺し屋と行き場を失った少女の、恋愛を超えた純愛。
とにかくマチルダが愛おしい。
ラストに流れるスティングの主題歌にも泣かされる。
4.時をかける少女 /1983年 日本 大林亘彦監督
邦画からも1本選ぶとしたら、これしかありません。
先日亡くなった大林亘彦監督の作品。公開から37年、今もなおカルト的な人気を博している映画。
前作の「転校生」はみんな良いと言っていたけど、公開当時これは賛否あったように思う。
「演技が臭くて見ていられない」
はい、その通りです。セリフは棒読みだし。
冒頭の、和子と深町との出会いの場面からして不自然だし。
今でも見返すと気恥ずかしい感じがする。
でも、それがいいんですよ。
だって「A MOVIE」なんだから。
切ない思いにさせられてからの、カーテンコールのようなエンディングに救われる。
尾道には一度行ったことがある。
また行きたい。