アナログプレーヤーを購入したので、家にあるLPをアルファベット順に聞き直してみる企画。第8回目もザ・バンド。
■ザ・バンド/アイランド(1977年)
彼らのラストアルバム。
この時は「解散」ではなく、「コンサート活動の休止」と発表されていたんですよね。でも結局、レコーディング活動は続けられることなく、事実上解散してしまいます。
80年代に入って、ロビー・ロバートソン抜きで再結成されるわけですが、それは本当の意味で「ザ・バンド」とは呼べないわけで。
1曲目のこれが大好きです。
青く霞みがかかった朝
人気のない古いパリの街並み
彼女は現れた 運命の天使のように
まるで映画のワンシーンかのような始まり方。
そして、サビの詞の美しさ。
While the world outside grows more insane
Bein' with you I feel no pain
True like blue, right as rain
right as rain
邦題が「優しい雨のように」となっているのだけど、「right」に「優しい」っていう意味あるのかな?
むしろここは、ストレートに「正しい」とか「正義」の方が近い感じがするんですけど。
それだけ彼女は絶対的な存在という事。
どんなに外の世界が気違いじみていたとしても
君といれば苦しみさえ感じない
ブルーのように真実で 雨のように正しい
サウンドは、ザ・バンドにしてはかなり軽く、泥臭さは微塵も感じられない。
でも、前作「南十字星」のラストを飾った「Rags&Bones」から、そのまま続いているようにも感じる。
更に、インストのタイトル曲。
これには当時面食らった。
当時は、なんでザ・バンドがこんなイージーリスニングみたいなインストをやるのかと思ったけれども、今聞くとこれも面白いですね。
軽いように聞こえるけど、一つ一つの音が緊密に絡み合っているのはさすがザ・バンドという気がする。
タイトル通り、カリブ海のどこかの島の匂いもするような気もするのだけど、どこか妙に涼し気でもある。
この曲や、「カフーツ」の「When I Paint My Masterpiece」、それに「ラストワルツのテーマ」などを聞いていると、ロックの枠に収まり切れずに、音楽の地下水流にたどり着こうとしていたかのような幻想を抱いてしまう。
キリストの生誕を謳ったシンプルなクリスマスソング。
難しいコードも使っていないので、ギターで弾き語りをしていた記憶がよみがえってきた。
さて、次回はBe で始まる、知らない人はいないあのグループです。
うーん、自分があのグループについて語れる事など何もないのですが。