途中まで書きかけたものがずっと下書きに残っていた。
もう2月近く前のライブだけど、やはり書き残しておきたい。
コロナ前のこの時期はプランクトンの主催によるケルティック・クリスマス*1が風物詩のひとつだったけど、当然のことながら2020年以降の開催は無し。
その代わりという意味もあるのだろうか、プランクトンが企画したのがこの「Beyond」というライブイベント。僕は、チャラン・ポ・ランタンやジンタらムータが出演するvol.2に行ってきた。
僕が初めてチャランポを見たのが2012年5月のタワーレコード新宿店でのインストアライブで、そこからもう10年以上の年月が経っている。
そして、僕がチャランポを知ったきっかけが、2011年の年末に行われたシカラムータ(これの別働隊がジンタらムータみたいな関係)のライブだった。
そのライブでは、当時小春がジャグラーと組んでいた大道芸ユニット・プラノワによる、ジャグリングとアコーディオンによる見事なコラボレーションを幕間に楽しんだ上に、ライブの後半には小春もシカラムータの演奏にも加わり、凄腕のミュージシャンの中に入っても一歩も引けの取らない素晴らしい演奏を聞かせてくれた。
この時の小春はまだ23歳。
細い身体に大きなボタン式アコーディオン。
細かい指の動きとダイナミックな蛇腹捌きに目を奪われた。
小春は中学生の頃からシカラムータのライブを見に行っていたそうで、彼女が高1の時にアコーディオンのコンテストに出場した際、シカラムータの「急な坂」という曲を演奏して見事に賞金をGETした、そんな話もこの時していた事を記憶している。
このライブがきっかけになり、2012年から2013年にかけて、チャラン・ポ・ランタンのライブにはよく通ったものだった。*2
ジンタらムータは2010年夏のライブイベントでその存在を知った。クラリネットやチンドン太鼓、チューバが織りなすリズムの虜になった。とりわけ、派手な髪型と衣装で体を左右に揺らしながらチンドン太鼓を叩くこぐれみわぞうさん*3の姿に目を奪われた。
その翌年、震災直後に吉祥寺で見たライブも忘れられない。
その後、2013年のみわぞうさんの誕生日に行われた「こぐれみわぞう祭り」に小春が参加したり、同年と2014年のソウル・フラワー・モノノケ・サミットとチャラン・ポ・ランタンによるジョイントライブにはモノノケのメンバーの中に大熊ワタルさんとみわぞうさんがいたりと、なにかと縁があった両者。
ところが、この2組が顔を合わせるのはそれ以来らしい。
これは2012年1月に共演した時の映像(この時僕はまだチャランポ現場に行っていなかった。
前置きが長くなった。
12月1日のライブに話を戻す。
ジンタらムータは、定番レパートリーの「ARTIGIANA」などのクレズマーに、10年ほど前から取り組んでいるイディッシュやブレヒトソング(みわぞうさんが立派なボーカリストになっていた!)、最後は八木節と、圧倒的な演奏で時空を超越する。
みわぞうさんがお箏を弾いていたのにも驚いたけれども、これは幼少の頃から習っていたらしい。箏にチンドン太鼓に歌にMCと、大車輪の活躍だった。
大熊ワタルさんは1年前に倒れて救急車で運ばれ、入院したこともあったけど(MC少なめだったのはその影響?)、元気に演奏していたのでひと安心。でも、少しやつれてしまったような印象は受ける。
二番手のチャラン・ポ・ランタンは派手にぶちかましてくれた。このイベントにおける自分たちの立場をよくわかっている。初見の人も多かったと思うけど、驚いたのではないだろうか。改めて小春のアコーディオンとももちゃんのボーカルに感嘆、カンカンバルカンの分厚くて息の合った演奏も楽しかった。そうそう、ドラムのふーちんはジンタらムータとチャランポを掛け持ちでした(早着替えで出てきた)。
ここにチャラン・ポ・ランタンが呼ばれて本当に良かった。
やっぱりチャラン・ポ・ランタンが大好きだと思った。
トリの白崎映美さんは、盛り上がった会場を静寂へと導く。
ロケット・マツさんのピアノと坂本弘道さんのチェロをバックに、歌声が響く。
身体の奥底から出る歌の持つ力を感じた、と言うと少し大げさに思われるだろうか。
それにしても坂本さんのチェロ!この日は過激なパフォーマンスは無かったけど、打楽器のように使ったり色々な弾き方をしていて、その風貌と仕草に目が引き寄せられてしまう。
アンコールは、出演者が勢ぞろいしての「斎太郎節」。
まさに祝祭の終わりにふさわしいエンディングだった。
チャラン・ポ・ランタンは、明日30日と明後日31日に「女をなめんなよスペシャル」という主催ライブが予定されていて、僕は30日のチケット(なんと眉村ちあきが出演!)を確保済み。もしかしたらコラボもあるのかな?
そして、妹のボーカル・ももは4月に30歳の誕生日を迎える。それに合わせたライブも発表されていて、こちらもとても楽しみだ(行けるかどうかは未定)。