アナログプレーヤーを購入したので、家にあるLPをアーティストごとにアルファベット順で聞き直してみる企画。第22回目は前回に続いてのジャクソン・ブラウン。
■THE PRETENDER(1976年)
極めて個人的な話なんですけど、大学生の頃にずっと好きだった人がいまして、何となく友人づきあいみたいな感じだったのですが、3年生か4年生の時の2月に意を決して告白したんですよ。
結果は見事にフラれまして。いや、そうなるだろうとわかっていたから、それまで言えなかったんです。でも、落ち込んで酔っ払って家に帰って来て、一夜明けたら大雪で外は一面真っ白で。その日はずっとニール・ヤングの「アメリカン・スターズン・バーズ」とジャクソン・ブラウンのこれを繰り返し聞いていました。
このイントロを聞くと、条件反射のようにいまだにその事が思い出されます。馬鹿だね。
そんな話はさておき、1980年の11月に一度だけジャクソン・ブラウンのライブを武道館で見た事があります。
その時のオープニングもこの曲でした。
クレイグ・ダージュのピアノ、ラス・カンケルのドラム、そしてデヴィッド・リンドレーのスティールギター。
イントロを聞いただけで背筋がゾクッとするあの感覚を覚えたものです。
※1978年のライブ映像があったので貼っておきます
最初から最後まで、ただひたすら良い演奏と歌を聞かせる。「ビフォア・ザ・デリュージ」など、曲によって後ろのスクリーンに映像が映し出されることはあったけれども、誠実に歌に向き合うだけで、あの武道館が濃密な空気で満たされてしまいました。
ボブ・ディランの時の、あのひんやりして白けたような雰囲気は一体なんだったんだ、などと思ってしまったり。
「誠実」などという言葉を安易に使いたくはないけど、あのライブをひと言で表すならば、やはりこの言葉が最もふさわしいと思います。
ちなみに、自分が見たライブの中では、ジョー・ジャクソンにも同じような感覚を覚えました。
以上、思い出話ばかりになってしまいましたが、この「プリテンダー」は、「レイト・フォー・ザ・スカイ」と並んで、ジャクソン・ブラウンの中で最も好きなアルバムです。
バックのメンバーも固まって一体感があります。
ロウエル・ジョージのスライドとボーカルがフィーチャーされた「Youre Bright Baby Blues」が大好きです。
「Here Comes Those Tears Again」でのジョン・ホールのギターソロも良いですね。
さて、次回はソウルの大御所、ソロモン・バーク。ようやくBも大詰めです。