4年ぶりの開催となったケルティック・クリスマス。
といっても、前回の2019年と前々回2018年はCAYで行われた前夜祭のみの参加だったので、錦糸町トリフォニーホールに来たのは7年ぶり。そんなに来ていなかったか!
今回はルナサとダーヴィッシュの両巨頭が見られるとあって、見る前から期待が高まる。ちなみに、ルナサは過去2回、ダーヴィッシュは1回、ここで見た事がある。
最初はルナサ。
当たり前だけど演奏がめちゃくちゃ上手い。スピード感がある。ピタッと決まるブレイク、転換の鮮やかさ。打楽器が無いのにこのリズム感。
僕も大好きな「Morning Nightcap」のクライマックスでダンサーのデイヴィッド・ギーニーが登場して会場は一気に盛り上がる。
木管楽器3本によるアンサンブル。美しい旋律と楽器の音色に心が洗われる感じがする。
最後の曲で再びデイヴィッド・ギーニーの登場、今度はステージ後方の高い所で超絶的なステップを見せる。
足の動きが早くて爪先がぐにゃぐにゃ曲がっているように見える。体をぐるぐる回転させたり、大きくジャンプして空中で細かく両足を交差させたり、爪先立ちでブレイクを入れたりと、細かいテクニックが随所に散りばめられている。ショーマンシップにあふれていて良い意味でケレン味たっぷり。ダンスの事はよくわからないけど、これまでケルティック・クリスマスで見てきたダンサーとはちょっと次元が違う、新時代のステップダンサーという感じがした。
デイヴィッド・ギーニーは2部の幕開けでもソロで踊り、ダーヴィッシュの時にも2回、更にアンコールでも登場と、出番も多くて大いに楽しませてくれた。
ダーヴィッシュは、ボーカルとバウロン(太鼓みたいな打楽器)のキャシー・ジョーダンを中心に、マンドリン、ブズーキ、フィドル、アコーディオン、フルートの6人編成。派手さはないけれども、それぞれの楽器のブレンド加減が心地よい。鋭さよりもまろやかさ、どこか土の匂いが漂ってくるようなサウンド。
キャシーの歌声が好き。綺麗な声、でもどこか霞がかかったような声。ボーカルを取らない時には座ってカスタネットみたいな楽器(遠目でよくわからなかった)やバウロンを叩く。いつも足でリズムを取っている。
ステージ後方に装飾された柔らかいキャンドルの灯りと音が重なり合って気持ち良い事この上ない。
アンコール。
キャシーが出てきて無伴奏で一曲歌った後に、ルナサとダーヴィッシュでインストナンバーを演奏。ここから客席もスタンディングで応じる。
キャシーが話し始める。
クリスマス、シェイン・マガウアンという言葉が聞こえる。
「ケヴィン(ルナサのフルート奏者)と歌います」
えっ、まさか、あれをここでやるの?
そう、まさかのそれでした。
アウトロで体を寄せ合って踊るキャシーとケヴィン。
良い光景だった。
この日の2日前に亡くなったシェイン・マガウアン。子供の頃から酒とドラッグに溺れ、素行の悪さからポーグスを首になるなど、めちゃくちゃな人生を送ってきた人だけれども、多くに人に愛されていたんだなあ。ルナサともダーヴィッシュとも音楽性は全く違うのに。
ほんと名曲。
最後に全員でもう1曲。デイヴィッド・ギーニーも飛び出してきて最高に楽しい大団円だった。
終演が19時15分ごろだっただろうか。
いつものように府中に寄ろうと思っていたけど、せっかく錦糸町に来たのでたまには違う場所で飲むのも良い。
初めて入った立ち飲み屋でビールとホッピー。大根と牛すじ煮が美味しかった。