甲府、名古屋、京都、神戸、岡山、そして1日おいて横浜。
この日は、7日間で6か所を回るツアーの最終日だった。
2018年の夏、すみだジャズで撃ち抜かれて以来、いつかまた見たいと思っていたOKI DUB AINU BAND。またとないチャンスがやって来た。
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THUMB UP に来たのも久しぶり。入場した時には7、8割方席が埋まっていた。どうしよう?奥のテーブル席が空いていたのでそこを確保した。ステージを下手側の真横から見る格好になる。
同じテーブルには40代くらいの男女二人連れ、その後にチャラそうな若い兄ちゃん2人が綺麗な女性を連れてやってきた。
客席を見渡してみれば客層の幅広い事。若い人が多くて、むしろ自分くらいの年齢層は少ない。女性のおひとり様もいるし外国人の姿もちらほら。前方の客席にいるのはピーター・バラカンさんだ。
カウンターに行ってビールとフィッシュ&チップスをオーダー、開演前までにブラッディ・マリーを追加注文した。テーブルにタバスコが置いてあるのが嬉しい。
ほどなくしてメンバーが入場、演奏が始まる。
アレッポとは10年ほど前のシリア内線の戦場になってしまった都市の名前。
レゲエのリズムがひたすら気持ち良い。
繰り返しているようでいて、微妙に変化していくリズム。
時折微笑むような表情でスティックを操る沼澤さん。ついつい手元に目が行ってしまう。
対照的に、クールで表情を変えない髭のベース・中条さん。*1
HAKASE-SUN*2は踊るようにキーボードを操る。
いずれも、名だたるミュージシャンたち。
REKPOさんがほとんどアカペラで歌う曲も良い。アイヌの伝統歌「ウポポ」を継承したものなのだろうか>
幕間の休憩中に、隣にいた髪を肩まで伸ばした兄ちゃんが話しかけてきた。
「最高すっね」「最高だね」
彼はダブが好きで、OKIの事はクラブで一度見たそう。
「クラブで踊りながら見たらまた最高だろうな。どうせならスタンディングで見たいね。」
「立ちましょうよ。あの辺なんか自由に踊ってましたよ。」
なんとなく強い酒を飲みたくなってテキーラを注文。こんなの飲むの何十年ぶりだろう?
2部の冒頭、OKIがこの夏に逝去したメンバーの居壁太について話し始める。
すみだジャズに出演した後に飲んで大喧嘩して店を追い出されたそうだ。
「お前の音楽はアイヌじゃない」「何を今さら」
すでに終電もなく、「サウナに行こう」と誘われて無言でついて行ったという話。
更に、サウナでは入れ墨を見た店員から追い出されてしまう。アイヌの風習だと説明しても「ルールだから」と、聞き入れてもらえなかったそうだ。
会場内には居壁さんの写真が掲示されていた。
ライブが進むにつれ、立ち上がって後方で踊る人も増えてきた。隣の兄ちゃん2人も一段下のフロアへ降りて客席の隅で踊り始める。
バラカン氏は座りながらも体を揺すってノッている様子。
アンコールになると僕も座っていられなくなり、兄ちゃんたちのいる所へ降りていった。トンコリの音、反復するリズムにダブの音響。まさにトリップ状態。最高!!
しかしトンコリとは不思議な楽器だ。
弦楽器なのだけどコードも弾かないしリードを取る事もない。
5本の弦を両手で弾くだけだから音が5つしかない。はずなんだけど、とてもそうは聞こえない。
このトンコリをアンプに繋げ、強力なリズム隊にダブサウンドを加えるなんて、クレイジーとしか思えない。
とにかく他に類を見ないグルーヴと圧倒的な熱量だった。
凄いものを見た、という感想しか出て来ない。
OKI DUB AINU BAND
— OKI DUB AINU & マレウレウ (@ChikarStudio) 2023年12月12日
Winter tour 2023 Final
dedicated to Futoshi Ikabe
満員御礼‼️大盛況で無事、終了しました👏👏👏
ご来場の皆様、横浜サムズアップの皆様、ありがとうございました🙏#okidub #okidubainuband pic.twitter.com/t4jMjjXNix