整理番号は61番。
前から4列目、下手側の席を確保する。
場内はクーラーが効いていて寒いほど。物販で購入したタオルを腕に掛けて開演を待つ。
ステージ上に並ぶバンドセット。
センターにパーカッションが鎮座し、左右の両端にドラムセットが配置される光景は壮観ですらある。
これを見ているだけでワクワクした感情が湧き出てくる。
開演予定時間の17時を10分ほど過ぎた頃、ステージの両脇から2人ずつに分かれてメンバーが入場する。
そして1曲目のフォーメーション。あれ、最初はオケなのかな?
聞こえてきたのは「白昼ブランコ」のイントロだった。
ちょうど3年前、O-Westで行われたサードワンマンでもオープニングに使われた曲。あの時の光景が頭の中で甦って目の前の光景とシンクロする。
曲の途中でバンドのメンバーが入場し、演奏を始める。
あれ?このパターン、どこかで体験したよね。
そう、ちょうど2年前の大阪でのワンマン、2曲目の「cosmo」だ!という事を後で思い出した。
とにかく、この時すでに鳥肌が立ってしまって、しかもこの感動が最後の最後までずっと持続していたという、とても得難いようなライブ体験となった。
ここで結論を書いてしまうと、これまで見てきたnuanceのライブの中で最高だったのみならず、自分がこれまで見たアイドルのライブの中でも3本の指に間違いなく入る、それほど素晴らしいものだった。*1
nuanceすげえや!
このオープニングから「サーカスの来ない街」まで、一気に9曲をノンストップで走る。
何度も見てきたはずの「セツナシンドローム」や「Love chocolate?」といった初期の曲がいまだに色あせないどころか、ますます光り輝いている。ていうか、この頃から楽曲がとんがっていたんですね。「セツナシンドローム」なんて、最初に聞いた時に本当にぶっ飛んだ記憶があって、「コンテナを持ち上げてる姿が プラキオサウルスみたい」というフレーズにせよ、サビでいきなりラップになったりする展開にせよ、変てこな曲じゃないですか(誉めてます)。
これに限らず、「ミライサーカス」「タイムマジックロンリー」「I know power」「sekisyo」など、佐藤嘉風さんの作る曲はみんな変てこで独自の世界観を持つものばかり。それがそのままnuanceのイメージになっているんですよね。
3月のLUXURY NUANCE 2で初めて見た「under the moon」は、振り付け付きで初披露。この曲、やっぱり好きだな。
MCをはさみ、椅子に座ってラグジュアリー・ヌュアンスのお時間。
「bye bye」「tomodachi」に続いて、アコースティックセットではお馴染みとなっているボサノバ調の「sanzan」。すると、途中からバンドがギアチェンジして通常バージョンに様変わり、nuanceの4人も立ち上がって踊り始める。客席もそれに合わせて立ち上がる。この転換の鮮やかさ。
「ハーバームーン」がまた熱かった。ここでまた熱量が上がった感じ。
続いて新曲を2曲続ける。
「テキーラサンライズ」は、サンダルテレフォンやクマリデパート、クロスノエシスなどでお馴染みのいどみん先生による振り付けだそう。振り入れはとても楽しい雰囲気の中で行われたようで、ミサキサンがいどみん先生に「でしゃばりパイナップル」と呼ばれたというくだりには、心が和んだ。
この日が正真正銘の初披露、「KaMoMe」(表記がNaNoMoRaLみたい)は、ジャズが入ったファンクみたいな感じで、くるくる展開が変わる。ちょっとキスエクみたいな感じもあって新鮮だった。
「I know power」では「一緒に踊るよ!」と煽られるが、いつも振り付けのスピードについていけないので適当に腕を動かす。
「sekisyo」では、自分の中の何かが崩壊した気がした。関所の門を潜るためだったら何だってしてやるぞ、みたいな(意味がわかりませんが)。
「初恋ペダル」で漕ぎ漕ぎ。これも楽しい。
いきなり「ミライサーカス」。もうクライマックスなのか。
「タイムマジックロンリー」で最高潮。
普通のライブだったら、盛り上がった所で終わりでしょ。ところがnuanceの場合、そうは問屋が卸さない。
「雨粒」では9人のバンドセットがフル稼働、音のゲリラ雷雨を浴びているかのようだった。こういうのを本当に「エモい」って言うんだろうな。*2
ここでのUさんのドラムが良かったなあ。Uさんのドラムはとても好きなんですけど、自分がドラムを叩いていない時でも歌ったり踊ったりしている姿がまた良くて。楽しいから、つい見てしまうんだよね。*3
このバンドの音に負けないnuance4人の歌声が本当に素晴らしい。
これでラストだと思っていたら「wish」まで。
メインディッシュが終わったと思ったら、更に美味な締めが用意されていた感じ。でも、良い音楽はお腹にもたれない。
しかし、この「wish」も丸三年歌い続けられてきたわけだけど、いつ聞いても感動が色褪せない。
ここまで、感覚としてはあっという間に終わってしまった感じ。
当然アンコールの拍手が鳴りやまないのだけど、「この流れでは、もうやる曲ないじゃないか」と思っていた。内心、アンコールで出てきても挨拶だけで終わるのではないかと。ところが…。
ここで、初めてのMCらしいMCタイム。
4人それぞれの感想や心情が語られたけど、特に珠理ちゃんの「色々あったけど辞めないで続けてきて良かった」という言葉に重みを感じた。
初めてnuanceがお披露目のステージ立ったのがちょうど4年前。
「共通点は横浜に住んでいるという事だけ」(byミサキサン)の4人、それまで全くステージ経験のなかったメンバーが、築き上げてきたもの。僕が初めてnuanceを見たのが3年前の4月(もっと早く見たかった、せめてクリフサイドのワンマンから見ていればよかった)で、良いと思ったから見続けてきたわけだけれども、こんなに力強く、唯一無二の世界観を持ったグループに成長するとは、正直ところ想像していなかった。
アンコールで歌われたのは、デビュー曲でもある「シャララ シャララ」。
そうか、その手があったか。
nuanceの楽曲の中で、おそらく最も一般的なアイドルソングのイメージに近い曲。
この曲で最期を締めるというのは、おそらく自分にとっては初めての体験だったと思うけど、とてもハッピーで楽しい大団円だった。
時間にして正味100分ほどだったろうか。
MCの時間も少しはあったものの、24曲を息もつかせず歌い切った。
ステージも広いから、運動量も普段の倍近いんじゃないか。
2バンドセットというのも尋常じゃないけれども、それをバックに終始ダイナミック且つ優雅に舞い続けたnuanceの底力は半端ない。
見ている我々も全力で応えた。
開演前に防寒用に使っていたタオルは、すっかり汗拭き用に変わっていた。
終演後、張り出されていたセットリスト
KT ZeppYokohamaありがとうございました❗️5年目最初のライブ最高でした。会場来てくれた方、配信を見てくれた方、ライブをひろめてくれた方、世界そして宇宙。ありがとうございました!#ゼッヌュ0626#ヌュアンス #nuance #ヌュ#ヌュアンスはいいぞ pic.twitter.com/pPzA8hzXkI
— nuance_official (@nuance_official) 2021年6月26日
*1:ちなみに後の2本はフィロのスの新木場とNegiccoの野音です。
*2:関係ないけどEMOEのさくらさんが見に来ていてこんなツイートをしていた。わかる。https://twitter.com/emoe_sakura/status/1408731719457406976?s=21
*3:2年前の3月、脇田もなりさんのMotion Blue YOKOHAMAでのライブでもUさんがドラムだった。なんか不思議な気がする。