チーボーのブログ

主にライブに行った記録(まちだガールズ・クワイア、NaNoMoRaL、THE ORGANICS、クレイビットなど)

6/16(土)フィロソフィーのダンス@恵比寿LIQUIDROOM

フィロソフィーのダンス東名阪ツアー
「Girls Are Back In Town VOL.1」東京公演
開場 17:15 開演 18:00  4,500円+ドリンク代500円

 

フィロソフィーのダンスをはじめて見てからちょうど2年。こんなに素晴らしい世界が待ち受けているとは、当時は予想もしていなかった。自分の直感を信じて、推し続けてきた甲斐もあるというもの。
この日のライブが最高のものになるであろうことは確信していた。初めてのバンド編成とはいえ、慎重すぎるほど周到に準備を重ね、最高のバンドメンバーを揃えるためにクラウドファンディングまで行っているのだもの。でも、気温の低さに比例するかのように、この日の自分はそれほどテンションが高まっていなかった。だって、どうせ良いに決まっているのだから。


そんな気分も、お客があふれるフロアに入ったとたんに吹き飛んだ。ワンマンならでは熱気、カーティスやアースやシックといった王道ファンクが流れるBGM。開演時間が迫ると、スクリーンの向こうのステージから聞こえてくる生楽器の音。そして、おとはすによる影ナレ

 

スクリーンが上がる。ステージ上には6人のバンドメンバー。パーカッションの早藤寿美子さんは、前回のワンマンに続いての参加。そして下手側には、ギターを抱えた宮野弦士さん!当然いるだろうとは思っていたけれども、ついに実現したフィロのスとの共演に胸が踊る。
いつものSEがバンドによって演奏される。黒人のMCが、あの「One time, two times, three times, four times…」これ、アガるね。新衣装をまとったフィロのスの4人が入場する。

 

ここからはもう、最高としかいえない2時間。
バンドの音の圧と、グルーヴが最高。
「良いに決まっているって?」そんな安直な想像なんか遥かに超えてきた。
ファンキーな曲も良かったのだけれども、一番印象的だったのは「アルゴリズムの海」。うまく言えないけど、音の広がりが素晴らしい。「アイム・アフター・タイム」の新アレンジ、特に導入部で「おや?」と思わせてからイントロに入るところのカッコよさにも痺れた。
カッコいいといえば、「アイドル・フィロソフィー」のアウトロで、早藤さんが太鼓を上に掲げて「どんどん、どんどん」と叩いたところもね。
本編ラストの「すききらいアンチノミー」での宮野さんのイントロのギター。おお、やっとこれを生で見る事ができたか。
欲を言えば、「夏のクオリア」や「アイム・アフター・タイム」ではサックスの生音があったらいいな、とは思った。

 

4人の歌も最高。マリリとハルはもちろんの事、あんぬとおとはすもバンドの音に負けていない。特におとはす、見るたびにボーカリストとしての成長を感じさせてくれるのだけど、いつの間にこんなに力強くて多彩な表現力を持つ歌い手になったのだろう。後半戦は帽子を脱いで髪を振り乱しながらのシャウト。まるで何かが乗り移ったようなパフォーマンスを見せる。笑顔を振りまいたかと思うと、目を見開いたり驚いたような表情を見せたり、それであの声でしょ。MCでも終始リードしているし、いまやグループの中心的存在だよ。

 

アンコールの「ジャスト・メモリーズ」は、スタンドマイクで歌われる。やっぱり泣きながら歌っている、おとはす。

ここで4人それぞれの気持ちが語られる。
バンド経験があるマリリとハルからは、バンドでライブをやる事が大きな夢だったという話。そして、更に大きな夢に向かって進んで行きたいという決意表明。
あんぬちゃんの、この言葉も印象的。「私は、嬉しい事や辛い事があっても、フィロのスをやっている以上泣かないと決めていて実際泣いたことはないんですけど、最初の顔合わせでバンドの演奏を見た時に初めて泣いてしまって。目の前に新しい世界が広がっているような気がした。」
「アイドル界では、解散とか脱退とかのニュースが多いけど、私たちは辞めないので大船に乗ったつもりでついてきてください」
そして、最後におとはす。
劣等感を抱え、いつも3人の後姿を必死で追いかけてきたと語る彼女。
「バンドで合わせた時にも、3人とのスキルの差に愕然として、どうなるのか心配で円形脱毛症になっちゃったんですけど、また生えてきました」
しーんとして聞き入る場内。
「ここ、笑う所だよ」と、泣きながら叫ぶおとはす。
「彼女ができないとか仕事ができないとか色々あると思うけど、そんな時は私を見て元気になってくださーーい!」
泣かないあんぬと、すぐ泣いてしまうおとはす。両極端な2人だけど、それぞれ理想とするアイドル像があって、それを実践している意識の高さは共通する所だと思う。フィロのスは、やっぱりアイドルなんだよ。本当にベストフォーな4人。

 

フィロのスって、才能のある4人が集まっていて、加茂啓太郎さんという大物がプロデュースをしていることから、苦労なしでとんとん拍子で来ているように思われがちだけれども、彼女たちはけっしてエリートではないんですよね(幸せなグループであるとは思うけど)。アイドルというには年齢がいっているし(非公開)、ここにくるまでに人生の辛酸もなめてきているわけで、それだけに絶対に今のチャンスをものにしたいという意識が高いように感じる。そして、謙虚で周りに対する感謝の気持ちを忘れない。それはPerfumeNegiccoを思い起こさせるほど。そのあたりも推せる理由なのかもしれない。

 

最後は「ダンス・ファウンダー」で締め。
バンドメンバーが退場し、フィロのスの4人がステージから去った後も、鳴り止まない拍手が場内に響き渡っていた。

公式から発表のあったバンドのメンバーと、人選の経緯についての加茂さんのブログをリンクしておきます。
https://mobile.twitter.com/DFP_2015/status/1008375052683759617/photo/1
https://blog.goo.ne.jp/peaceboat1/e/2041214942d1e338703c57fd65ca3026

 

この後、名古屋と大阪公演を控えているけれども、どうせ変えてくるだろうからセトリをあげておきます。新しい曲が少なめだったのが意外だったけど、ベストオブベストといった選曲。
1. イッツ・マイ・ターン(新曲初披露)
2. アイドル・フィロソフィー
3. ライク・ア・ゾンビ
4. オール・ウィー・ニード・イズ・ラブストーリー
MC
5. 夏のクオリア
6. 好感度あげたい!
7. バイタル・テンプテーション
8. エポケー・チャンス
MC
9. アルゴリズムの海
10. アイム・アフター・タイム
11. コモンセンス・バスターズ
MC
12.ライブ・ライフ(新曲初披露)
13.ラブ・バリエーション
14.ドグマティック・ドラマティック
15.ベスト・フォー
16.すききらいアンチノミー
アンコール
17.ジャスト・メモリー
MC(ひとりずつコメント)
18.ダンス・ファウンダー

 

おとはす曰く

「世界一いやらしくないスポーツブラ」

いやいや、そんな事は・・・f:id:charanpochiiboo:20181227200511j:imagef:id:charanpochiiboo:20181227200538j:image